もう君がいない


「ねぇ、美雪?」

「ん?どした?」


私は、今日の夜の花火大会に、蓮と行くと約束したこと。

今日、試合の後、光貴に別れを告げると決めていること。


美雪に話した。

美雪には、ちゃんと話しておきたかった。



「そっか。ついに言うんだね。」

「うん。もうこれ以上逃げてるわけにはいかないから。」

「私はいつでも茉菜の味方だよ?ずっと茉菜のこと応援してるから。」

「ありがとう、美雪。」


ギュッと手を握ってくれて、ニコッと微笑んでくれる美雪。

美雪と出会えて本当に良かった。


美雪がこうして隣にいてくれるだけで、すごく安心するし勇気が出る。



「ついに蓮君も動き出したわけだ、、」


美雪が何かボソボソって話したけど、電車の音でよく聞こえなかった。


「へっ?なんて言った?」

「ううん!何でもないよ!」

「そう?」


何だったんだろ?

少し気になるけど、もう美雪は違う話をし始めてて、

それ以上聞くことは出来なかった。


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