もう君がいない
「うわぁ〜、見てみて茉菜!人すごいよ!」
「本当だ〜すごい人の数〜!」
会場に着くと、そこはすさまじい人の多さでごった返していた。
「去年よりも確実に多いよね?」
「うん、私もそう思う。」
美雪の言う通り、去年の倍は人がいるんじゃないかって感じ。
そう言えば、光貴が言ってたな。
今年は相手チームのエースが、中学時代から注目されてる有名人だって。
その影響かな、?
「でも、俺ぜってー負けねーから。だから茉菜、ちゃんと応援しといてな?」
少し恥ずかしそうに笑って、でもしっかりとした強い目で言った光貴を思い出す。
見てるよ、光貴。
一生懸命応援するからね。
光貴の応援も、これが最後になるかもしれないから。
今までみたいに、こうして光貴が応援に来てって言ってくれることも、、
なくなってしまうかもしれないから。
今日は、中学の時からずっと見てきた、
光貴が真っ直ぐにボールを追いかける姿を、
光貴がキラキラしてる姿を、
一瞬たりとも見逃したくない。