もう君がいない
いつも隣で見てるはずなのに、、
どうしてコートに立つ光貴の背中は、こんなに大きく見えるんだろう、、。
「茉菜、きっと大丈夫。宮下君も拓ちゃんも、絶対勝ってくれるから。」
「うん!」
美雪と手を繋いだ。
美雪も緊張してるのか、私達の手は、お互いに少し汗ばんでいた。
ピィーーーーー!!
この広いスタジアムに響き渡る審判の笛の音。
それを合図に、試合が始まった。
一つ一つの流れに、一喜一憂する私と美雪。
やはり相手チームの人気がすごく、歓声の大きさも全くと言っていいほど違っていた。
試合が動いたのは、前半のロスタイム。
相手チームのエースの、圧巻とも言える、美しいほどのミドルシュートが決まった。
歓喜に沸く相手チームの選手や観客達。
そのまますぐ前半が終わり、次々と選手達がベンチに下がってきた。
こちらに戻ってくる光貴を見つめる。