もう君がいない
後半の15分、、
中盤でボールを持った光貴は、あっという間にドリブルで突破し、
前線の選手に向かって、フワッと鮮やかなパスを出した。
そのパスを受けた選手は、クルッと上手く体を使って相手をかわし、
力強いゴールを決めたんだ。
「やったー!茉菜!茉菜!」
「よかった〜!よかった!」
私と美雪は抱き合って飛び跳ねた。
「宮下君すごかった!さすがだよ!」
「うん!うん!よかった、光貴、、」
仲間と抱き合って喜ぶ光貴の笑顔が、
この夏の日差しに負けないくらい輝いて見えた。
でも、、
神様は意地悪だ、、
ううん、違う、、
神様なんて、いないのかもしれない。
それは、後半の40分を過ぎた時、、
一瞬の出来事だった。