もう君がいない
右足、、
右足の膝あたりを押さえ、苦しそうに歪んだ表情のまま、、
痛みに耐えてその場に倒れたままの光貴、、
すぐに、ベンチから担架を持って走って行く救護の人達、、
それと同時に、審判が走り寄ってきて、
光貴にぶつかっていった相手選手に、レッドカードを出した。
何が、、
何が起こっているの、、
光貴、、?
ねぇ、、光貴、、?
「最低だな、あいつ。」
「レッドカードもらって当然だな。」
「完璧ワザと体当たりしていったもんな。」
「10番、大丈夫かよ?」
後ろにいた男の人達の声が聞こえた。
「茉菜!行くよ!」
私は、美雪に腕を掴まれて、何が何だかわからないまま、出口に向かって走った。
客席を出て、うちの学校の控え室のある方へと走って行く美雪。
私は美雪に連れられて行くだけで、頭の中は真っ白だった。