もう君がいない
光貴、、
コーチに病室を聞き、美雪と二人で向かった。
病室の前で、ドアをノックしようとする手が止まる。
、、怖かった。
光貴がどんな顔をしているか、、
光貴がどんな気持ちなのか、、
私はどんな顔をすればいい?
なんて声をかければいい?
美雪を見ると、美雪も私を見た。
そして二人でコクンと頷きあって、、
大きく深呼吸をして、、
私は意を決してドアをノックした。
「、、はい。」
中から聞こえてきた光貴の声は、いつもとは比べ物にならないほど小さかった。
「光貴、、?」
ドアを開けると、ベッドに横になって、点滴をつながれている光貴がいた。
その右脚には、痛々しいほどの包帯が巻かれていて、、
しっかりと固定されていた、、
それを見ると、まだどこか信じきれていなかった、信じたくなかった現実を、、
痛いほどに突きつけられた気がした。