もう君がいない
「茉菜、宮下君どう?落ち着いた?」
「うん。今は眠ってる。」
「そっか。」
ずっと病室の外のベンチに座って待ってくれてた美雪。
美雪の顔を見ると、なんだかふと肩に入ってた力が抜けるような気がした。
「さっき拓ちゃんから連絡があってね?あの後、延長戦までいって、延長の後半に逆転して試合に勝ったって。」
「えっ、本当?」
「うん。今から部員達や監督と一緒に、こっち向かうってさ。」
「そっか。」
勝ったんだ、、良かった。
もしこれで、うちの学校が負けてたら、光貴はもっと自分を責めると思う。
もっともっと、悔しかったと思うから。
「あのさ、茉菜、、」
「なに?」
「こんな時に、言うことじゃないかもしれないけど、、」
「ん?どうしたの?」
「宮下君には、言えてないでしょ?試合が終わったら、茉菜が伝えたかったこと。」