もう君がいない
私と蓮
私の方が蓮より半年くらい先に生まれた。
私と蓮は、蓮が生まれてすぐくらいから、いつも一緒に遊んでたんだって。
ご近所さんから、ママ友となったお母さん達は、毎日のようにどちらかの家に行き、一緒に私達二人を育てた。
物心ついた時には、蓮は家族みたいな存在で、私は勝手に弟のように思っていたんだ。
家でも一緒に過ごし、保育園でもずっと一緒に遊んでた。
「蓮君はね、心臓に病気があって大変なの。だから、茉菜が側にいて、助けてあげてね。」
そうお母さんに言い聞かされていたから、どこにいても、私は蓮の側を離れなかった。
私が蓮を守るんだ。
そんな、使命感のような、責任感のようなものを感じていたのかもしれない。
でも、いつからか私は、
使命感や責任感ではなく、ただ蓮の側にいたい。
そう思うようになっていたんだ。
それだけずっと一緒にいれば、恋をするのも当然のような流れだよね。
小3くらいの頃には、確実に蓮に恋心を抱いていた記憶がある。
美雪ともう一人、仲良しの友達の梨花ちゃんって子がいたんだけど、その子が蓮のことが好きだと言い出して、
蓮は私の蓮なのに。
取られたくなんかない。
そう思ったのを覚えてる。