もう君がいない
コンコン、、
病室のドアをノックすれば、中から光貴の声がする。
「光貴おはよ〜!見てみて〜、向日葵!」
私は、笑顔で勢いよく病室に入ると、光貴のベッドに駆け寄り向日葵を見せる。
「お〜、でかいな向日葵。どうしたの?」
「うちの庭に咲いてたの!お母さんが、光貴の部屋に飾ってって!」
「そっか。おばさんにお礼言わなきゃな。」
向日葵がよく似合う、光貴の笑顔。
私は、向日葵と一緒にお母さんが持たせてくれた花瓶に、その向日葵達を生けた。
「調子はどう?」
「ん、いいよ。今日さ、リハビリの先生に言われたんだ。回復が早いって。」
「本当?すごいね、光貴!良かったね!」
「ああ。嬉しくてさ、早く茉菜に言いたかったんだ。」
本当に嬉しそうに笑ってる光貴。
そんな光貴が可愛く見える。
こんな屈託のない笑顔で笑う光貴は、久しぶりだったから。
どうか、このまま、、
光貴が笑顔でいられますように。
リハビリが上手くいって、またサッカーをやってる光貴が見られますように。
私は、そう願う。