もう君がいない


ダメだ、、

また涙が止まらなくなる、、


私は、電車の中でどうにか堪えていた涙が、

一気に溢れて止まらなくなって、、


一人で泣きながら歩いた。


心の中で、蓮を思いながら、、

光貴に謝りながら、、


泣きながら歩いた、、。



「茉菜?」

「え、、?」


もうすぐ家の前、、

そこまで来たとき、誰かが私を呼んだ。


誰かなんて、声ですぐにわかる。


もう辺りは薄暗くて、姿がはっきり見えたわけじゃない。

でも、私にはわかる。



「蓮、、」


少し先に、蓮が立っていた。


蓮は私にかけよって、何も言わずに、、


ギュッと私を抱きしめた。



、、あったかい。


蓮の腕の中は暖かくて、スーッと心が落ち着いていくのがわかった。

フワッと蓮の匂いが鼻をかすめる。


全部、、全部が落ち着く。


私を、、私の心を、、

そっと包んでくれる。


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