もう君がいない


「いらっしゃいませ〜。どんなお花をお探しですか?」

「あ、えーっと、ガーベラを。」


その日の放課後、私は帰り道にあるお花屋さんに来ていた。


おばさんに会うのも本当に久しぶりだし、手ぶらで行くのも気が引けたから、、

おばさんの好きなガーベラを買って行こうと思って。


「ガーベラはこちらになりますね〜。お好きな色とかありますか?」

「ピンクのガーベラが。」

「ピンクですね、かわいいですもんね〜。他には、何か気になるお花は?」

「あ、ピンクのガーベラを中心に、少し花束を作ってもらえますか?」

「かしこまりました。」


お花屋さんに花束を作ってもらってる間に、周りのお花を見ていた。

季節は秋で、町の草木はどんどん枯れていってしまうけど、ここにはたくさんの綺麗なお花が咲き乱れていて、、

なんだか心がほっこりする。


「これ、、」

その中で、私は一つの花に目が止まった。


「それ、コスモスなんですよ〜」

花束を作りながら、そう言って笑顔で答えてくれる店員さん。


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