もう君がいない
「茉菜、俺、約束するよ。」
「約束?」
「1年で帰ってくる。1年で、絶対病気治して、元気になって帰ってくる。」
「本当?」
「うん。だから、待っててほしい。元気になって帰って来たら、茉菜に話したいことがあるんだ。」
「何?」
「まだ秘密だよ。帰って来たら、話すから。だから茉菜、俺のこと待っててくれる?」
「うん!蓮のこと、待ってるね!」
幼い私達が、交わした約束。
私は、この約束をずっとずっと信じてた。
1年待てば、蓮が元気になって帰ってくる。
そうすれば、もう蓮と離れることはない。
蓮とスポーツだって、なんだって出来ちゃう。
もう、蓮が病気で苦しむ姿を、見なくてよくなるんだ。
そう思うと、私は、どんなに寂しくても耐えられる気がした。
蓮も頑張ってるから、私も頑張る。
そう考えて、一生懸命に蓮の帰りを待ってた。
でも、1年後、、
蓮が帰ってくることはなかった。
中1の冬、私は、ひたすら蓮の帰りを待った。
約束したもん。
1年後、元気になって帰ってくるって。
約束、、したのに、、