もう君がいない


「懐かしいな、」

「うん、本当にあの時の蓮は怖かった。私が知ってる中で、あの時が一番怒ってたよ。」

「ハハッ、なんだそれ。」

「ふふふ、本当に怖かったんだもん。」


いつもは優しい蓮が、本気で怒ってて、、

しばらく私と口聞いてくれなくて、、


見かねたおばさんが、すぐに同じプリンを買いに行ってくれたんだ。


「結局お袋がすぐに買ってきてくれて、それ食って仲直りしたんだよな。」

「そうそう。食べたらすぐに蓮の機嫌が戻ってさ〜。どんだけ好きなの!って、ちょっと面白かった。」

「本当ガキだったよな、あの頃は。」


そう言って、懐かしそうに目を細めた蓮。

その横顔が、窓から差し込む夕日に照らされて、キラキラして見えた。



「よし!じゃあ、私はもう帰ろうかな。」

私が立ち上がると、

「え、もう帰んの?」

って、蓮は私を見上げた。


「うん。まだ完全に治ったわけじゃないみたいだし、長居できないよ。」

「ん、、」

「じゃあ、また月曜学校でね?」


そう言って、ドアの方へ歩き出そうとした時、、

「え、、蓮、、?」


蓮が、、

私の腕をギュッと掴んだ。


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