もう君がいない


腕を掴んだまま、うつむいてる蓮。


「れ、蓮、、?」

名前を呼んでも反応なし。


蓮に掴まれてる腕から、蓮の体温が伝わってきて、どんどん早くなる私の鼓動。


「蓮?どうしたの?」

そうもう一度聞くと、小さな声で蓮が言った。


「まだ、、まだ、帰んな。」


ギリギリ聞こえるくらいの、本当に小さな声だけど、、

でも、蓮は確かにそう言った。


私の心臓が、壊れちゃうんじゃないかってくらいうるさい。

胸がぎゅーっと締め付けられる。



帰りたくない、、


そう思った。



「もう少し、いて?」

そう言って、うつもいてた顔を上げた蓮。


ぶつかった蓮の目は、どこか寂しげで、、

心細そうな顔をしていて、、


「わかった。」


こんなの、、

断れっこないよ、、


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