もう君がいない


茉菜は、優しいから、、。

茉菜は誰よりも、思いやりに溢れたやつだから。


昔からそうなんだ。


俺の側にいてくれたのだって、俺が病気だから。

俺がみんなと一緒に外で遊べないから。

いつも一人で、楽しそうに走り回るみんなを見ていたから。


だから、ずっと黙って側にいてくれた。

いつも、俺の隣にいてくれたんだ。



そんな茉菜のことだ。


いま、光貴を一人にするようなこと、、

そんなこと、出来ないに決まってる。


茉菜はきっと、これからもずっと、

光貴の側にいることを選んだんだ、、。



試合中に怪我をして、もう今までのようにサッカーが出来ないと言われた光貴。


光貴と出会って、まだ半年くらいだけど、

あいつがどれだけサッカーが好きか、どれだけサッカーを頑張っていたか、、

俺にだってわかる。


それだけ大切だったサッカーを、失ってしまうかもしれない。

そんな光貴を、側で支えてあげたい。


茉菜は、きっとそう思ったはず。


だから、、


だから、俺はそんな茉菜の決意を、

邪魔するわけにはいかないんだ。


そんな資格、俺にはないから。


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