もう君がいない
「なぁ、久しぶりにちょっと寄ってかない?」
公貴がそう言って立ち止まったのは、私の家の近くにある公園。
私が送ってもらう通り道にあるし、
中学の頃から、よく寄り道してたんだ。
「うん、そうしよ?」
私達は、公園に入って、いつものようにブランコに腰掛けた。
私と公貴は、いつもこうして、ブランコに並んで座るの。
公園には、ちゃんとベンチもいくつかあるけど、
でも、こうしてブランコに座るのが好き。
いろんな話しながら、お互い自由にブランコを揺らしてたり、
たまには、高さを競ってブランコをこいだり、
思い出がたくさんあるブランコ。
「懐かしいな。」
「そうだね〜。最近は全然来てなかったから。」
この公園には、本当にたくさんの思い出があって、、
それが全部、鮮明に思い出される。
夕日が沈むのを一緒に見たり、
お互い相談があると、いつもここで話した。
コンビニで買った肉まんを半分こして食べて、
公貴が口の中ヤケドしちゃったり。
初めて浴衣着て行った花火大会の帰り、
この公園で、初めてキスをした。