もう君がいない
「えっ、、?公、貴、、?」
私はびっくりして、隣の公貴をパッと見たけど、
公貴は私ではなく、、
正面を向いたまま、遠い目をしていた。
その横顔は、なんともいえない悲しさと寂しさを放っていて、、
切なさで、胸がぎゅーって掴まれる。
「もうこれ以上、茉菜を縛りつけるなんて、できないよ。」
「公貴、何言ってるの?私、縛りつけられてるなんて、そんなこと、」
そんな風に思ったことなんてない。
公貴に縛られるなんて、そんな、、
「ずっと前からわかってた。茉菜の気持ちが、俺から離れていくこと。茉菜の変化に、俺が気づかないとでも思った?」
「公貴、、ごめ、」
「謝るな。」
「え、、」
「謝られると、なんか余計に辛い。」
そう言って、やっと私の方を見た公貴の目には、
、、たくさんの涙が溜まっていた。
とても、、
とても苦しそうな顔だった。
そんな顔を見て、私は、、
何も言えなかった。