もう君がいない


「茉菜、泣かないで。」

「うっ、ひっく、、ごめん、ごめんなさい。」

「こら。謝るなって言ったろ?」


そう言って、私の頭に伸びてきた公貴の手。


でも、、

触れるか触れないか、そのくらいの近さまできた公貴の手は、、


そっと、、離れていった。


そして、すごく悲しい顔で微笑んだ公貴。



無理だよ、、、

涙が止まらない、、、


私は、、

私はどこまで最低なことをしてしまったの?


こんなに大切な公貴を、

こんなにひどく傷つけ、苦しめ、、


どこまで身勝手な人間なんだろう、、、



「茉菜?誰が悪いとか、どっちが悪いとか、そんなのない。誰も、悪くないんだ。」

「そんなことない!私が、私が悪いの!」

「違う。それだけは本当に違う。茉菜、自分を責めることだけは、俺が絶対に許さない。」

「公貴、、どうしてそんな、、」


どこまで優しいんだろう、、


どうしてそんなに、私に優しくしてくれるの、、



「茉菜の気持ちの変化が悪いなら、それを知ってて無視した俺も、無視して茉菜を縛ってた俺は、もっと悪い。」

「そんなっ、、」

「茉菜、頼む。頼むから、苦しまないで。泣かないで。茉菜には、ずっと笑っててほしい。」

「公貴、、」


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