もう君がいない
恋の終わり 〜 公貴side 〜
歩き始めた茉菜の背中を、
去っていく茉菜の背中を、
一度も振り返らず進む茉菜の背中を、
俺は、ずっと見届けた。
見えなくなった今も、
茉菜の歩いたその道を、ただ呆然と見つめ続けていた。
やっと、、
やっと、流れた涙。
頬を伝った、一筋の涙。
その瞬間に実感した、、
、、、恋の終わり。
俺の、初めての恋が、、、
いま、、終わりを告げた、、。
「茉菜、、くっ、、茉菜、、」
何度名前を呼んでも、
愛しくて仕方なかったその名を呼んでも、
もう、、茉菜はいない。
「ん?どうしたの?」
「なに〜?」
「へっ?呼んだ?」
「公貴?」
振り返る茉菜の笑顔は、もう二度と見れない。
俺の名を呼ぶ茉菜は、もうどこにもいない。