もう君がいない
「そんなことに、、茉菜、辛かったね。」
そう言って、自分のことのように泣いてくれる美雪は、私をぎゅっと抱きしめてくれた。
学校に着いたら、先に来ていた美雪が、すぐに私の異変に気付いてくれて、、
私の様子を気にかけて、1時間目をサボろって言ってくれて、
私達は、屋上で授業をサボることにした。
昨日の公貴とのことを話した。
話している途中から、美雪は泣いていて、、
でも私は、もう涙さえ出てこなかった。
まだ、よくわからないんだ。
上手く、いまこの状況を理解できない。
本当に、すっからかんになったみたい。
「茉菜、大丈夫?いや、大丈夫なわけないよね。ごめん。」
「ううん、平気。」
私は平気、、、
平気なんだ、、、
そう、自分に言い聞かせる。
「無理しないで?強がらないでよ。私の前だけでも、ちゃんと泣いていいんだよ?」
「そんなこと、できないよ。」
「どうして?」
「私が泣くなんて、私が辛いって弱音吐くなんて、そんなのダメだよ。一番辛いのは、公貴だもん。私が公貴を傷つけたのに、私が被害者面なんてできない。」