もう君がいない


泣いてはいけない。

辛いと言ってはいけない。

弱音なんてはけない。


私は、人を傷つけた側の人間だから。


私が悲劇のヒロインみたいに、泣きつくことなんてできないの。


そんな資格、私にはない。



「茉菜?宮下くんの言葉忘れた?」

「え、?」

「誰が悪いとか、どっちが悪いとか、そんなのないよ?誰も悪くない。宮下くんの言うとおりだと思うよ?」

「どうして?どうして美雪までそんなこと言うの?そんなの、私が悪いに決まってるじゃん!」


みんな優しすぎるよ、、


どうしてそんなに優しくするの?

もっと、もっと責めてよ、、


私が悪いんだもん。


もっと、私に怒ってよ、、、!



「逆の立場だったらどう?」

「逆?」

「そう。宮下くんの元に、数年ぶりに初恋の幼なじみが戻ってきて、気持ちはそっちにあるのに、宮下くんが茉菜から離れられずにいたら?茉菜は、どうする?」


そんなの、、

そんなの、、



「公貴のために、、別れる、」

「そうでしょ?宮下くんだって、いま茉菜が感じたのと同じ気持ちなんだよ。だから、茉菜との別れを選んだの。」

「でも、そんなの、、私が変わらなければ、私が心変わりしなければ、こんなことにはならなかった!私が、、私がまた蓮のこと好きになったから、!」


私が、蓮を好きになったから、、

私が、心変わりしてしまったから、、

私が、心の浮気をしていたから、、


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