もう君がいない
「茉菜が、素直に蓮くんの元へ行けないのはどうして?」
「どうしてって、それは、、」
「宮下くんのため?宮下くんが可哀想だから?宮下くんへの同情?」
「同情なんてそんな!そんなつもりじゃ、」
「茉菜がそんなつもりじゃなくても、宮下くんにとっては、そうなっちゃうんだよ。」
同情って、、、
そんな、そんな資格すら私にはないよ、、
同情だなんて、そんな偉そうなこと、、
「可哀想って思ってる時点で、それは同情。でも、その情こそが、一番宮下くんを傷つけるの。」
「そんな、、」
「茉菜は、宮下くんのため宮下くんのためって、そう思ってるかもしれないけど、それだけ?」
「え、、?」
「本当は、そんな酷いことをする自分が嫌なんじゃない?そんなことをする人間になる、そんな自分が許せないだけ。それはただの茉菜のプライドであって、宮下くんのことを思ってなんかないじゃん。」
一瞬、、そんなことない!って、
そう言おうとしたけれど、、、
でも、、、
私は、否定できなかった。
、、、図星だ。
たぶん、いやきっと、そう、、。
美雪の言うとおりだ。
私は、自分に酔ってただけだ。
相手を思いやってる。
相手のためにこうしてるんだ。
そう自分に言い聞かせて、いい子ぶって、、
本当は、ずっと、、
そんないい子ぶりっ子な自分に、満足していただけなのかもしれない。