もう君がいない
「茉菜〜おはよ〜!」
「おはよ〜」
教室に入ると、なぜかハイテンションな美雪が、飛びつくように私に向かってきた。
「なに?どうかしたの?」
「ん〜?なんで?」
「いや、すごいテンション高いから。」
「だってあと二週間だよ?修学旅行!」
そう。
みゆきの言うとおり、待ちに待った修学旅行まで、あと二週間を切った。
二年生のこの時期にある修学旅行。
うちの学校は、毎年関西方面だと決まってる。
奈良で大仏を見たり、
京都で神社巡りをしたり、
大阪で食いだおれたり、
高校の修学旅行って、スキー合宿に行ったり、最近では海外に行くってとこも聞くし、
うちの学校しょぼいな〜なんて言う人もいるんだけど、
私は、関西に行ったことがなかったからすごく嬉しい。
それに、京都では、丸一日班ごとの自由行動がある。
もちろん、私達の班は、、
美雪、蓮、公貴、里中君、私の5人。
それだけでも楽しみなのに、私のわがままで、
その日はレンタルの着物を着ることにしてる。
京都の神社やお寺、それから風情ある町並みを、着物を着て歩くのが憧れだったから、、