もう君がいない


その日の放課後、私は意を決して蓮の席へと歩みよった。


でも、、

里中君と部活に向かう公貴が、教室を出たのを確認して立ち上がった私は、


やっぱり、弱くて汚い人間だ。



「蓮?」

「ん?どした?」

「あのね?その、、」

「茉菜?」


告白するわけでもないのに、すごく緊張する。

言葉がすんなりと出てこなくなる。



「あの、久しぶりに、一緒に帰らない?」

「え、、」


すぐに返ってこない返事に、

私は、一気に不安に押しつぶされそうになる。



「あ、無理なら別に、、」

やっと振り絞った勇気は、一瞬でしぼんで小さくなってしまう。


「いいよ。」

「え?」

「早く帰ろ。」

「あ、うん!」


、、よかった!

勇気出して誘ってよかった!


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