もう君がいない
私達の地元の駅から、4つ目の駅で降りる。
駅から出ると、同じ制服を着た学生たちが、学校に向かってぞろぞろと登校している。
学校の前の坂道を、光貴とゆっくり登っていると、
「茉菜〜、宮下く〜ん、おっはよ〜!」
元気な声と共に、私の背中をバシっと軽く叩く手。
小学校からずっと一緒の親友、高梨美雪(たかなし みゆき)。
「美雪〜、おはよ〜。」
「おはよ、高梨。」
「はいはい、相変わらず仲良く登校。朝からごちそうさまです。」
「美雪もでしょ〜!」
美雪は、私達の高校と同じ駅で降りる近くの他校に彼氏がいる。
だから、美雪はその彼氏と駅まで来て、途中でバイバイするんだよね。
「クラス気になるね〜!今年も茉菜と一緒だといいけど。あっ、今年こそ宮下くんも!」
「本当だよ〜。3人一緒がいい!」
「こいつ、昨日の夜、3人同じクラスになれますようにって、お祈りまでしたらしい。」
「そうなの?さすが茉菜だね〜。」
3人並んで、笑いながら校門をくぐる。
私の右には光貴、左には美雪。
大好きな二人といる時が、私は一番幸せ。