もう君がいない
「どうかな?」
私は、恐る恐る蓮の顔を覗き込む。
しばらく間があって、、
静かに顔を上げた蓮、、
私を見た蓮の目は、うっすら涙が浮かんでいるようで、、
「茉菜、」
「ん?なに?」
そして、涙を浮かべたまま、、
いつものように、フワッと優しく笑った蓮。
「ありがとう。」
「え?」
「気づかなかった。そうだよな、そんなに簡単なことだったんだよな。話し合う、そんな当たり前のことだったんだよな。」
「蓮、、」
蓮は、空を見上げて目を閉じ、
ゆっくりと深呼吸をした。
そして、また私の目を見た。
「俺も、茉菜に知ってほしいし、知りたい。俺たちが、離れていた4年間。」
「うん、」
「いろんな話がしたい、たくさん写真も見たい。共有したい、茉菜と。」
「うん!私も!」
二人目を合わせ、優しい笑みがこぼれる。
やっと、近づけた気がする。
やっと、踏み出せた気がする。
これからが、私達の再スタート。