もう君がいない
Chapter.4 〜 重なる針 〜

アルバム



「あ〜楽しい!こんなに楽しいのは本当に久しぶりだわ〜!ほら、うちは男二人だからなんだか味気なくて〜」

「私もよ〜!茉菜も女の子っていっても、女の子らしい子じゃないんだから〜」


ワインを飲みながら、ザ・井戸端会議って感じのお母さん達。



「どこの会社も一緒なんだなぁ。」

「時代がなぁ、しょうがないんだろうな。」


焼酎を飲みながら、ザ・サラリーマンの飲み会って感じのお父さん達。



今日は、久しぶりに二家族で集まった。


おばさんが、親戚からたくさんカニが送られてきたから一緒に鍋でもしましょ?って私達に声をかけてくれて。


私と蓮の微妙な雰囲気を感じていたのか、

親たちも、こうして集まろうってなることがなくなってたから。


久しぶりに集まっての楽しい食事、

久しぶりだから、積もりに積もった話、


親たちは、完璧に出来上がっちゃって。



でも、こんな親たちの雰囲気を見るのも、なんだか胸が暖かくなる。


ただのお隣さん。

そんな言葉では片付けられない、仲の良い私の家族と蓮の家族。


ずっと、こんな関係が続いていってほしい。


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