もう君がいない


「うわ、茉菜がまだ若いな。」

「ちょっと〜!若いってなによ!今はもう老けたみたいじゃん!」


中学の頃の写真を見ながら、そんな失礼なことを言い出す蓮。


そんな蓮の腕を、バシバシ叩いた。



「ごめんごめん、間違えた。幼いってこと。」

「もぉ〜、ほんと失礼。」


でも、全然嫌じゃないのは、、

むしろこんなくだらない会話も、楽しくて仕方ないのは、、


私が、蓮に恋しているから。



「あ、これが修学旅行?」

「そうそう!沖縄だったんだよ〜」


蓮がたどり着いた、中学の修学旅行の写真達。


この修学旅行に行く前に、お父さんにカメラを買ってもらって、

はりきって写真を撮りすぎた私。


現像するのにも一苦労だったなぁ、、



「海、すげー綺麗だな、」

「そうなんだよ〜!びっくりするくらい青くてね?海面がキラキラ光ってるの!」

「ほんとだ、」


海を背景に砂浜で美雪と撮った、私もお気に入りだった写真。


その写真をじーっと見る蓮の横顔が、なんだかまた寂しげに見えて、、


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