もう君がいない
たくさん、たくさん話した。
写真を一枚一枚見ながら、
一つ一つの思い出を、
私も思い出しながら、
蓮は、すごく楽しそうに聞いてくれた。
写真を見ながら、まるで蓮もその場にいたかのように、
写真の中のエピソードを聞いて、いっぱい笑ってくれた。
蓮が笑ってくれるのが嬉しくて、
蓮が楽しそうだと、私まで楽しくて、
一人でペラペラしゃべり続けた。
話が決して上手い方ではないけど、
少しでも、蓮に伝わってたらいいな、、。
「変わってないな。」
「ん?何が?」
「みんなが。茉菜も美雪ちゃんも、公貴も拓弥も。いま俺が知ってるみんなと、全然変わってないなって。」
「そうだよ〜。見た目は大人になっても、みんな中身は全然成長してないの。」
背が伸びた。
体つきが大きくなった。
顔つきが大人びた。
見た目では、すごく成長しているようで、、
それだけ長い時間が経ったようで、、
でも、本当は何も変わってないの。
まだ、中身は全然大人なんかじゃない。