もう君がいない
「蓮は?蓮の話も聞きたい。」
「俺のは、大したことないよ。」
「でも聞きたい!写真は?」
すると、少し困ったような顔をする蓮。
「写真はさ、こっちに帰ってくるときどこに直したのかわかんなくて、探しとくわ。」
「そっか〜。じゃあ、なんとなくでもいいから話して?4年間のこと、」
「んー、そうだな、、」
蓮は、アメリカに渡ってからのことを、順を追って話してくれた。
アメリカに渡って、すぐに病院に入院した蓮。
周りには、同じように病気に苦しむ子ども達がいっぱいいて、
すぐに言葉は通じなくても、お互い分かり合えることも多く、友達も出来たそう。
手術をやっと受けれてからも、体調が少し崩れればすぐに入院。
ずっと、入退院を繰り返す日々だった。
でも、同じような立場の友達がいっぱいいたから、一緒に前向きに頑張れた、と蓮は言う。
学校は、病院の中にある学習学級のようなもの。
4年間のうち、ほとんどを病院で過ごした蓮は、
病院外の普通のインターナショナルスクールに通えたのは、最後の半年ほどだったらしい。
4年もいたから、ある程度の日常会話は出来るようになって、
日本に帰った今も、英語は得意科目。