もう君がいない
俺がいま、柄にもなくこんなに緊張してるのは、きっと、、
茉菜のことがあるから、だな。
ただでさえ初めての長旅、、
その上、茉菜と一緒の旅、、
そりゃ、ちょっとくらいソワソワしても、おかしくないだろ?
もし、今も茉菜が公貴と付き合っていたなら、、
ここまでソワソワすることも、なんだか楽しみで眠れないような感じも、何もなかったのだろうか?
茉菜は、3週間ほど前、公貴と別れた。
俺は、拓弥からこの話を聞いた。
朝、教室に入ってくるなり俺のとこに走ってきた拓弥。
相当驚いて慌てた様子で、もっと前から走ってきたのか、息が荒くなっていた。
そして、俺にとっては喜ぶべき、、
でも、決してそんな気分にはなれなかった、、
茉菜が、、
朝から教室に入った茉菜の顔が、、
それに、公貴の顔も、、
痛々しいほどに、辛そうだったから。
そんな中、これはチャンスだと茉菜にアピールをする、、
そんなことが、出来るはずない。