もう君がいない
修学旅行
「ひゃっほ〜い!ついに来たったで〜!関西!」
「拓ちゃんうるさい!てかなに?その関西弁、」
「せっかく関西に来たんやし、関西弁で浸ったろーおもてん!」
「いや、うざいから。いますぐやめて。」
「なんでや〜、なんで美雪ちゃんそんな冷たいんや〜」
「だからうざいって、口閉じて!もう宮下君どうにかして!」
「え、俺?」
私たちの前で、まるで夫婦漫才のように息ピッタリな美雪と里中君。
そして、里中君を黙らせるために巻き込まれる公貴。
そんな三人を見ながら、クスクスと笑いがこぼれる。
「美雪ちゃんよりテンション高いアホがいること忘れてたな。」
「ふふっ、本当だね。」
蓮の隣で、蓮と一緒に笑う。
そんないつも通りの、当たり前のことでさえ、
なんだか今日はすごく楽しい。
これも、修学旅行だから?
「里中!宮下!高梨!俺が話してるのが聞こえないのか?」
ついには、田中先生のお怒りが飛んでくる始末。
そんな、楽しい楽しい修学旅行の始まり。