もう君がいない
紺色の着物
「茉菜、すごい綺麗、、ほんっとに綺麗!」
「ふふ、ありがと。美雪もすごく綺麗だよ!」
今日は修学旅行2日目。
京都で1日、班ごとに自由行動の日。
私達は、着物のレンタルで有名なお店で、着物をレンタルして着付けてもらった。
着物に合わせて髪もセットしてもらえた。
ササッと髪を結う手際の良さと、素敵なかんざしまでつけてもらって、感動の私と美雪。
完成した姿をお互いに見て、褒め合う私達は、完璧に女の子モード全開だ。
「お二人とも、よくお似合いですよ。」
「すごくお綺麗ですこと。」
「お若くてかわいらしかったのが、大人の女性の雰囲気になられましたわ。」
着付けてくださったお店の方達も、口を揃えて褒めてくださって、
お世辞とはいえ、もちろん私達の気分は上がる。
「さぁさぁ、男性陣がお待ちかねですよ。」
そう言われて部屋から出ると、すでに着物に着替えた3人が座っていた。
「うーわ!2人とも綺麗!」
立ち上がって、目をまん丸くした里中君。
すぐに褒め言葉が出てくるあたり、さすがだよ。
「あらまぁ。」
「お若いっていいですねぇ。」
って、お店の方々が微笑んでくださる。