もう君がいない
「蓮、あのね?」
「ん?」
私が顔を上げると、
そこにはずっと、私を真っ直ぐに見てくれている蓮がいた。
きちんと蓮の目を見て、私は慎重に話し始める。
「公貴と別れたのは、私のせいなの。」
公貴は、何も悪くない。
悪いのは、私。
「私がね、、私が、公貴を裏切ったの。」
いつでも、いつまでも、
変わらず私を好きでいてくれた公貴。
その公貴を、私が裏切ってしまった。
「裏切ったって?どういうこと?」
意味がわからない、そんな蓮の不安そうでもある表情。
ちゃんと伝えよう、私の気持ち。
回りくどい言い方はやめて、
真っ直ぐに、、。
蓮が私に向けてくれる、この真っ直ぐな目のように。
真っ直ぐに、素直な気持ちを、、。
ずっと伝えたかった、
ずっと口にしたかった、
でも、ずっと口にできなかった気持ち。
隠しておかなければ、
消し去ってしまわなければ、
そう思えば思うほどに、強く大きくなっていった気持ち。