もう君がいない
「蓮?」
いつまでも、なんの反応もしない蓮に、私は不安になる。
私を見たまま、まばたきさえしない蓮に、
「蓮、聞いてる?私、蓮のこと、、」
そう、もう一度私が言いかけたとき、
私は、気づけば蓮の腕の中にいた。
「えっ、、あの、れ、蓮?」
その状況に、驚き戸惑ってしまう私。
蓮は何も言わず、
私を抱きしめるその腕に、さらにぎゅっと力を入れた。
「蓮?」
「やっと聞けた。」
「え?」
頭の上から聞こえる、蓮の声。
「やっと言ってくれた、好きって。」
「え、あの、、」
「その言葉がずっと聞きたかった。ずっと欲しかった。ずっと待ってた。」
「えっと、、」
それってどういう、、
そう聞こうとした時、蓮は私を離し、
優しく柔らかい、温かい笑顔で微笑んだ。
そして、言ってくれたんだ。
「俺も、茉菜が好きです。」
、、って。