もう君がいない
「これが、公貴と別れた理由なんだな?」
私は言葉に出来ず、ただ頷く。
「そっか。」
そう言うと、蓮は私の手をそっと握った。
「頭があがらないな、公貴には。」
「うん、」
「公貴のおかげで、いま茉菜は俺の隣にいるんだもんな。」
本当にそう、、。
蓮を失って、真っ暗になった私の世界にさした一筋の光。
それが公貴だった。
暗闇のどん底にいた私を、いつも明るく照らし、導いてくれた。
いつだって私の側にいて、私を支えてくれた。
そして、蓮が戻った今、、
今度は、私をそっと、蓮の元へ戻してくれた。
自分の光を消して、また新たな光の元へと、私を送り届けてくれた。
「茉菜、公貴には俺から話してもいいか?」
「蓮が?」
「俺もちゃんと、公貴と2人で話したい。俺に話させてほしい。」
私は、少し迷った。
私もきちんと、自分で公貴に報告しなくてはいけないと思ってたから。
でも、蓮が公貴と話したいって気持ちもわかるし、尊重してあげたいから、、
「わかった。」
私は、蓮に託すことにした。