もう君がいない
「茉菜は、間違ってなんかないよ。悪くなんかない。私は、いつでも茉菜の味方だから。」
美雪がこう言ってくれることで、私は安心することができた。
蓮への気持ちが完璧に無くなったわけじゃない。
でも、芽生え始めた光貴への気持ちも、嘘なんかじゃない。
私は、この二つの気持ちの間で揺れていた。
そんな頃だった。
中2の夏。
光貴に告白された。
私は、正直に話した。
いつでも真っ直ぐな光貴に、嘘なんかつきたくなかったから。
「すごく嬉しい。私も、光貴のことが好きだよ。でも、前に言ってた好きな人のこと、まだ完璧に忘れられてない。こんな中途半端な気持ちじゃ、光貴と付き合えない。」
でもね、光貴が言ってくれたの、、
「それでもいい。少しでも俺に気持ちがあるなら、付き合ってほしい。そいつのこと、俺が忘れさせるから。俺が頑張るから。」
って、、。
もう、、びっくりでしょ?
そこまで私のことを想ってくれるなんて、本当に嬉しかった。
ああ、もう一人で頑張るのはやめよう。
光貴に、助けてもらいたい。
私はそう思った。