もう君がいない
「公貴と別れた後、蓮と話してくれてたんでしょ?」
「蓮君から聞いたの?」
「うん。蓮が、美雪に私から話を聞くように言ってくれた、って。」
「そっか。」
美雪は私から離れて、少し申し訳なさそうな顔をした。
「ごめんね?本当は、ちょっとおせっかいかな?って思って、蓮君と話すかどうか迷ったの。」
「ううん、おせっかいなんて。」
「でも、やっぱり茉菜のことが心配だし。蓮君のことだって放っとけなくて。」
「うん。わかってるよ。」
「二人とも、私の大切な友達だから。」
美雪の気持ちは痛いほどわかるよ。
いつだって、誰にでも真正面から向き合う美雪。
「ずっと見てきたから、茉菜と蓮君のこと。宮下君も心配だったけど、やっぱり私は、茉菜と蓮君のこと応援したかった。」
「美雪、、」
「正直、すごく嬉しいの。宮下君には本当に申し訳ないけど、やっと茉菜と蓮君が結ばれたんだもん。」
美雪が、申し訳ないなんて思ってしまう原因は、私にある。
ふらふらしてしまった、私のせいだ。
「また、私のせいだ、って自分を責めるでしょ?」
「え、」
「茉菜のことならなんでもお見通しだって、いつも言ってるでしょ?」
「そうでした、」
「まったくもう。茉菜はこれから、堂々と蓮君と幸せになればいいの。何か言うやつがいたら、私がぶっ飛ばす!」
ふふふ。
やっぱり美雪は、いつだって私を守ってくれるスーパーマンだ。
「ありがとう。」