もう君がいない
「大げさ。一生の別れみたいじゃん。」
「そんなこと、」
「これからも、ずっと友達だろ?俺たち。」
そんな、温かい言葉をかけてくれる公貴。
「うん、そうだね。」
「だから、毎日1回ありがとうって言ってくれれば、十分元取れるから。」
「公貴!」
「ははっ、冗談。」
「もぉ~、」
いつも最後には、私を笑顔にしてくれる。
「で?またお前が泣いてんのかよ。」
「へっ?」
公貴がそんなことを言って後ろを向くから、
私も、驚いて公貴の視線を追うと、
「だって感動の超大作じゃんこんなの~!」
って、涙を流して鼻をすすっている、ぐちゃぐちゃになった里中君がいた。
「えっ、里中君?」
「茉菜ちゃん、盗み聞きしてすいません。」
「え、えーっと、、」
わけがわからず、こっちまでおろおろしてしまう。
「こいつ、昨日俺たちが話してるの聞いててさ、それからずっとこれ。青春映画みたいだーとか言って、なんか泣いてやがんの。」
そう説明してくれた公貴。
「そのせいで、俺ら先生に見つかって説教くらったしな。」
そう言いながら、里中君の後ろから現れた蓮。
「ほんっとバカ!ほんっと邪魔!」
そう言って、里中君の頭を叩く美雪。
いつもの私たち。