もう君がいない
「本当に、いいの?」
「ん。俺に任せろよ、全部。茉菜が背負ってるもの。」
「うん、、ありがと、、」
私は、涙が止まらなかった。
そんな私を、光貴はぎゅっと、抱きしめてくれたね。
男子に抱きしめられるなんて初めてで、
こんなに心が温かくなるんだと、私は初めて知った。
美雪や荒木君に報告すると、二人ともすごく喜んでくれた。
荒木君なんて、光貴によかったなって、泣きながら言ってたんだよ。
美雪も泣きそうになりながら、私に飛びついてきて、やっと茉菜が幸せになれるって喜んでくれた。
それからは、本当に本当に、光貴が私のことを大事にしてくれた。
光貴の優しさに包まれて、私は本当に心から幸せだと感じた。
いつの間にか、自然と、、
蓮のことを考える時間が、少なくなっていった。
思い出さないことはない。
でも、前みたいに、蓮を想って涙することはなくなった。
私は、蓮を、思い出に出来たんだ。
甘酸っぱくて、切ない、初恋の思い出に。