もう君がいない
「なんだこれ、じゃないよまったく!」
なんでこんなことになっているかというと、、、
あのあと、いつもより相当念入りに準備をした私は、それでも時間が余ったので、
「外で待っとこうかな、」
約束の時間の10分ほど前に、玄関から出て外に立っていた。
しかし、、
約束の時間になっても、
約束の時間を過ぎても、
一向に開く気配のない蓮の家の玄関。
何度か携帯にかけてみても、蓮が出ることはない。
もしかして、、
そう思った私は、インターホンを鳴らしてみたけど応答はない。
試しに、玄関のドアを引いてみると、
カチャッ、、と開いた。
そして中に来てみると、
蓮が部屋着のまま、ソファーですやすやと眠っていたというわけ。
「まじかよ。」
時計を見て、ようやく自分が寝過ごしていたと気づいた様子の蓮。
「茉菜、ほんとごめん!急いで準備するから!」
そう言って、家の中を走り回って支度を始めた。