もう君がいない
それからしばらく歩くと、
遠くから、波の音が聞こえるようになってきて、、
もうすぐ海が見えそう。
それほど近くなったら、、
「茉菜、目閉じて?」
「え、でも、」
いきなり立ち止まって、そんなことを言い出した蓮。
「大丈夫。俺が手を引いていくから。」
「えー、怖いよ。」
「大丈夫だって。頼むから。」
「え~、、」
目を閉じて歩くなんて、怖くてしたくなかったけど、
蓮がどうしても、ってきかないから、
私が折れることにした。
「きゃ~!いまどこ!」
「もうちょっと、」
「やだやだ!もう怖い~!」
ぎゃあぎゃあ言って、腰の引けた私を、
ゆっくり前に引っ張ってくれる蓮。
「あと5歩。4、3、2,1、」
そうして立ち止まった私達。
「茉菜、目開けてみて。」
その言葉で、そっと目をあけてみると、、
「ここ、、ここ、、!」
私は、思い出した。