もう君がいない
その後、やっとまわってきた順番。
私と蓮は、肩を並べて、それぞれお参りをした。
”今年も蓮と、そしてみんなと、元気に楽しく毎日を過ごせますように。”
私が、そんなありきたりなお願い事をして顔を上げると、
隣の蓮は、まだ目を閉じたまま、何かをお願いしていた。
その蓮の横顔が、
私に、何か訴えかけてくるようだった。
それがなんなのか、全然わからないけど、
でも、なぜだか私の心がざわつく。
お参りを終え、列から外れる。
「ねぇ、蓮?」
「ん?」
私は蓮に、何をお願いしたのか聞こうと思ったけど、
「ううん、なんでもない。」
結局、聞けなかった。
聞いてはいけないような、、
そんな気がした。
「あっ!」
「どうした?」
急に大きな声を出しちゃったから、びっくりした様子の蓮。
「あれ、書きたい。」
「あれって、」