もう君がいない
Chapter.5 ~ 止まった針 ~
誕生日
「あぁ~、よかった!本当に幸せ!」
「美雪が?」
「だって、茉菜の幸せは私の幸せ!茉菜ののろけは私ののろけ!」
「何それ、ふふふっ。」
新学期が始まった。
たった2週間足らずの冬休みなんて、ほんとあっという間に終わってしまう。
でも、そんな短い間にも、蓮との思い出はたくさんできた。
クリスマスも、初詣も、映画を見に行ったのも、、
一緒に家でのんびり過ごしたのも、、
最近作った、蓮との写真フォルダが、着実に増えていってる。
久しぶりに会った美雪は、冬休みの間に、
長かった髪を肩までバッサリ切っていた。
実は、ずっと付き合ってた彼氏と、年末にお
別れしたんだ。
彼がロングが好きだっていうから、ずっと髪を伸ばしてた美雪。
その髪と一緒に、全部切り落としてすっきりしたかったんだって。
「いまどき、失恋したから髪切るって、逆に恥ずかしい気もしたんだけどね。」
短くなった毛先をいじりながら、そう話す美雪。
「でも似合ってるからいいよ!」
「ほんと?実は自分でも気に入ってて。これで新しい恋でも見つかれば最高!」
「ふふっ、それでこそ美雪。」
「まっ、それまでは、茉菜ののろけ聞いて幸せわけてもらうから!」
そんな美雪の恋、、
意外とすぐそばにあると思うんだけどな。