もう君がいない
「言わんこっちゃない。」
「うぅ~、」
「痛い?」
「沁みる~、」
救急箱を持ってきて、
昔と変わらず、消毒してくれる優しい蓮。
「成長してないじゃん。」
「してるもん。いつもは切らないもん。」
「はいはい、」
「蓮がからかうから~、」
「ははっ、俺のせいかよ。」
蓮に手当てしてもらうのも、なんだか恥ずかしくて、、
ちょっとでもいいとこ見せたいのに、
上手になったって思ってもらいたいのに、
そんなときに限ってこれ。
ほんと私、ある意味もってる、、。
「ん。」
「ありがと。」
綺麗に絆創膏まで巻いてもらった。
情けない、、
「大丈夫?俺も手伝おうか?」
「やだ!絶対やだ!」
「痛いだろ?」
「大丈夫!蓮は絶対来ないで!」
蓮のお祝いなのに、
蓮を喜ばせたいのに、
手伝ってもらうなんて、私が辛すぎる。
でも、っていう蓮をソファーに押し戻し、私は料理を再開した。