もう君がいない
新婚気分 ~ 蓮 side ~
重ねた唇を離すと、
何が起こったのかと、見開いた目をキョロキョロさせて、
慌てふためく茉菜の姿。
そんな茉菜もかわいくて、
俺はつい、口元が緩んでしまう。
「挙動不審か。」
「えっ、だ、だって、」
返答さえも、明らかに挙動不審な、俺の最愛の人。
「顔、真っ赤、」
リンゴのように、赤く染まった頬。
あぁ、誰にも見せたくない。
そんな独占欲が、どこからか顔を出す。
「れっ、蓮のせいだもん!」
「なんで?」
「なんでって、その、、」
「ん?」
「だから、その、、」
あーあ、最高。
ますます赤くなる茉菜がかわいくて、いじめたくなるこの気持ち、誰だってわかるだろ?
「と、とにかく離して。」
俺が掴んだままの手を、必死に動かす茉菜。
ばーか、
逆効果だっつーの。
俺はその手を、もう一度強く引き寄せる。