もう君がいない
「本当にうまかった。ごちそうさま。」
「よかった~!」
茉菜の作った料理は、本当に、予想以上にどれもおいしかった。
こんなのも作れるようになったんだなぁ、って
何様だよって感じだけど、ほんと感動してしまった。
ずっと、こうしてられたらな、、
そんな風に、少しだけ、寂しくなったりもして、、
「手伝うよ。」
「いいよ、座ってて?」
「いや、手伝う。」
いいから、って言う茉菜の断りも無視して、
流しに立って、食器を洗った。
隣では、茉菜が、俺の洗った食器を拭いて直す。
そんなただの流れ作業さえ楽しく感じるのは、茉菜が一緒だから。
「料理、いつ覚えた?」
「蓮がアメリカに行った後も、お母さんに教えてもらったりしてたから。」
「そっか。」
「特に、蓮の好きなものはね?」
「え?」
「蓮が帰ってくる時までに、絶対作れるようになる~って、頑張ってたの。」
なぁ、茉菜、、
「やっと、蓮に食べてもらえた。」
これ片づけ終わったら、また茉菜をいじめてもいい?
茉菜が苦しいって言うほど、抱きしめてもいい?