もう君がいない
食器を洗い終えると、
もう座ってて、って茉菜が言うから、俺は先にソファーに座ってテレビを見てた。
そしたら、いきなりリビングの電気が消え、、
「ハッピーバースデートゥーユー、」
よく聞く、お決まりの誕生日ソングを歌いながら、
茉菜が、ろうそくの灯ったケーキを手に、俺の前に現れた。
「蓮、お誕生日おめでとう!」
本当に天使か?って、びっくりするくらい、満面の笑みで茉菜が言う。
「ほら!早く消して?」
「ああ。」
茉菜に促され、ケーキにささったろうそくの火を、一息で吹き消す。
「わぁ~!おめでと~!」
そう言って、リビングの電気をつける茉菜。
「ケーキも準備してたのか?」
「もちろん!」
得意げに笑う茉菜もかわいい。
「昨日の夜、お母さんに教えてもらって頑張ったんだ!」
「えっ?これも手作り?」
「そうだよ~!蓮はあんまり甘いのダメだから、食べれるように甘さ控えめにしたくて。」
茉菜、
本当に、最高すぎるよ、、。
茉菜が作ったというそのケーキは、言われるまで気づかないほど、すごく上手く出来てた。