もう君がいない
真実
「茉菜ちゃん!」
そう誰かに呼ばれて、顔を上げた。
そこには、泣きながら走ってくるおばさんと、深刻そうな顔をしたおじさんがいた。
私の元へ来ると、おばさんはその場に崩れ落ちた。
そんなおばさんを支えるように、しゃがみこんだおじさん。
「蓮君、今は発作も落ち着いて眠ってるわ。主治医の先生が、ご両親が来たらお話をって。」
そう説明してくれたのは、
ずっと私の隣で、私の肩を抱いてくれていたお母さん。
「ありがとう。」
そう言って、おじさんはおばさんを連れて、蓮の病室へと入っていった。
すぐに主治医の先生も来て、中で話があっているようだった。
いきなり、蓮が倒れた。
私の、目の前で。
何が起こっているのかわからなくて、、
でも、確かに覚えのある状況に、、
気づけば119番通報し、救急車を呼んでいた。
目の前で、苦しそうに胸を掴む蓮。
何か言いたそうに、必死に私を見る蓮。
どんどん意識が遠のいていく蓮に、声をかけるので精一杯だった。