もう君がいない
救急車が来ると、慌ただしく入ってきた救急隊が、蓮を取り囲んだ。
なにか聞かれて、私も答えはしたけど、
今はもうよく覚えていない。
救急車の音で気づいたのか、お母さんとお父さんが来て、救急隊に何か話していた。
私は、お母さんに手を引かれ、救急車に乗り込んだ。
病院に着くと、すぐさま蓮に走り寄ってきた医者と看護士たち。
蓮はストレッチャーで、処置室へと連れて行かれた。
あとから来たお父さんと、三人でその場に座ってた。
しばらくすると、中から先生が出てきて、
お母さんとお父さんと話し、どこかへ行ってしまった。
すぐに、眠った蓮が出てきて、病室へと移動した。
でも、私は頭が真っ白で、
ただただ怖くて、、
震えが止まらず、こうして病室の前に座ったままだった。
お母さんもお父さんも、
何も言わず、そんな私のそばにいてくれた。
どうして、、?
さっきまで、あんなに元気だったのに、、
ずっと一緒に笑ってたのに、、
病気、、
治ったって、、
なのに、どうして、、?
どうして蓮は倒れたの、、?